12. 日本での生産にこだわる 2013年当時の本音
2023.07.10
海外での品質安定には、時間も気力もコストもかかります。
日本が求める厳しい品質やルールを、海外生産しながら守ることは、正直苦しいと私は感じました。
しかし、ルールが増えてコストがあがっても、販売価格を上げることが、特にOEM生産では大変です。
不良品に対する返品は、製造業としての責任であるのは事実です。
一方、不条理な返品も多かったのも事実です。
小さな理由で全数返品など。
メーカーは泣き寝入りしかできないことがほとんどです。
OEMでは1足あたりの利益が、場合によっては100円にも満たないこともある (当初の仕様から変更され、そのコストアップが認められないためです。) のに、 当初約束・計画された発注量がでない。
約束が果たせなかった時に謝罪もない不平等。
発注がゼロだったときは、開発代もサンプル代も支払いがない。
小ロットとなり開発費すら償却できないのに単価が上がらない。
納品してしばらくして数足不良がでれば、全数返品。
その回収や返送料もメーカー負担。
加えて逸失利益(本来販売側が得られるはずであった利益)の請求 など。
これでは、日本の靴製造業が、OEM生産で、気持ちも財務も耐えられるわけがありません。
また海外と仕事をすることは、自ら手を動かすわけではなく、仕様や要求の伝言・依頼になることが多いです。
あとは待つだけになってしまう。この点も正直、自分には納得することができませんでした。