15. 1万円前後の日本製革靴マーケット
2023.07.10
百貨店のバイヤーより、「1万円前後の国産革靴をほとんど見なくなった、あれば売れる」
という話はよく耳にしていました。
これは、今まで1万円前後の革靴が国内で生産できていたのに、できなくなったということなのか。
そうではありません。
ブランドホルダーは、 海外で生産をするようになった。
それはその方が安いと考えたからではないでしょうか。
同時にブランドホルダーが自社の利益幅を大きくしました。
利幅を確保したいから、安価な仕入れがこれ以上見込めない国内をやめ、安価な仕入れが可能な海外に生産を求めた。
でもそうしているうちに、2013年頃、円安が急激に進みました。
結果、海外で作り輸入した靴が、定価1万円ぐらいではなくなり、30%ぐらい値上がったのです。
(上記は2015年頃の話です。今2023年は更なる円安、海外の賃金高騰、石油高による世界的な物流費の高騰など 様々な理由でさらに靴のコストが上がっているわけです。)
大げさかもしれませんが、海外で生産した(材料の質が落ちた)靴が今までより高くなったわけです。
国内で1万円前後の革靴をつくり販売することができれば、マーケットはあり、チャンスもあります。
レシピは、2023年現在、いくつかの商品は値上げさせていただきましたが、 発売当初からの人気定番品のほとんどは、販売定価を当時のまま維持しております。
それはブランドコンセプトにも含まれる通り、1万円の靴を作ることをお約束させていただいています。
その量産方法を日々研鑽し、靴づくりに努めております。