6. 日本の中底、底。日本の紙、ゴム。
2023.07.05
「レシピというブランド名にした理由、意味」の部分で、 革、紙、ゴム の日本の技術レベルが高いということに触れさせていただきました。
日本の紙の品質は世界でもトップクラスです。安くてよいものが安定供給されています。
日本の紙は、安定した良質な水の供給があるから、軽くて湿気に強い紙が生産できるとのこと。
中底は、足の裏の下(中敷の下)にあるから、汗や靴の湿気を吸ってくれます。
靴を脱いだあと、乾燥性もよく、いつまでも靴の保形をしてくれます。
中底は靴の背骨と言われている部品です。 だからよい材料、良い紙を使う必要があります。
海外の紙はどうかというと、例えば中国の中底は、強い中底を作ろうとすると、厚く重くなっています。
そして、水にぬれると、裂けたり捻じれたりします。
全てがそういうわけではないですが、そのようなものが多くみられます。
薄くて、軽くて、丈夫で湿気に強い日本の中底は最高レベルです。
底について。底は、合成ゴムと呼ばれるもの、evaというパイロンを発泡させて生産されるものが多いです。
ゴムは、「ゴムを作る」とも言い「ゴムを焼く」とも言います。パイロン、evaも同じ。 ゴムの原材料を、様々な薬品と混ぜて、練って、そして焼きます。
パンのようなイメージ。 ですので、薬品を混ぜる量、焼く環境や時間によって、品質が変わります。化学の世界です。 ここが重要です。 ですから、底屋さんには〇〇化工といったように、化学の化の字を使う会社も多いです。
1年を通じて、気温、湿度、気圧、天候が目まぐるしく変化するなかで、同じ品質のゴムを焼く。
変化に対応し温度や時間や量を微調整して、品質を安定させることができるのが、長年培った経験と勘を持った日本の職人技です。
対して、極端に言うと安価な量産国はどうか。マニュアルに書かれた、温度や時間通りにやるだけなのではないでしょうか。 ましてや、コストを下げるために再生材等を混ぜる。結果どうなるかというと、 重い、弱い(減りが早い)、臭いゴムになります。
臭いゴムをよく見かけませんか? 再生材が多かったり、不十分な化学反応の結果です。
また不純物が多いと、底剥がれがしやすくなります。糊の効きが悪くなるからです。
日本のゴムは、軽くて丈夫です。そして再生材特有の嫌な臭いはしません。